ALPHAS/アルファズ

INTERVIEW

レイチェル・ピルザド役 アジタ・ガニザーダ インタビュー

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Q. あなたの役柄(レイチェル)はローゼン博士の右腕のように見えますが、自分でもそう思いますか?そうだとすれば、理由も教えてください。

レイチェルは日ごろからローゼン博士のことをとても尊敬しているし、必要としてる。博士はレイチェルに自分は特別なんだって初めて思わせてくれた存在で、それは彼女にとって大事なことなのね。つまり、ローゼン博士は彼女の特殊能力が一種の才能だということを教えてくれたまさに最初の人で、レイチェルは博士を信頼できる相談相手として慕ってる。そしてレイチェルは情報を科学的に分析することができるから、ローゼン博士も彼女をとても頼りにしているし、大いに信頼している。つまり2人の関係は多くの信頼の上に成り立っているの。シーズン1の始まりでは特にね。

ただし見ているうちに気づくでしょうけど、ストーリーが進むにつれてチームのメンバーは周囲の人たちの目的を疑うようになる。そして、自分たちが利用されてるんじゃないかとか、やりたくないことを無理やりやらされてるんだろうかとか思ったり、アルファとしての生き方や存在意義に疑問を抱くようになって、メンバー同士に緊張感が生まれてくる。その緊張が解消されてチームのままでいるのか、ばらばらになってしまうのか、いなくなってしまうのか、それとも他に何か起きるのかは、最後に分かることになるわね。

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Q. デヴィッド・ストラザーンとの共演はいかがですか?

彼ほど心の広い俳優は他にはいないわ。本当に優しいし熱心なの。彼は舞台出身で、とても素晴らしい技術を惜しげもなく見せてくれる。ドラマを見ていれば、彼の身ぶりや演技のしかたを垣間見ることができるわ。演じるに当たって彼はこちらの提案を受け入れてくれるし、彼ほどローゼン博士を魅力的に演じられる人はいないでしょうね。とにかくとっても優しくて寛大なの。

Q. 自分の役柄について調べましたか?

ええ。脚本家は「超感覚」という言葉を新たに作り出したけど、それはレイチェルの特殊能力には共感覚に通じる要素があるからなの。例えば匂いに色がついているように感じるとかね。とはいえレイチェルの能力はそれ以上で、五感の一つ一つをかなりのレベルまで高められるというわけ。

そういった設定をきちんと表現するために、反響定位※について勉強したわ。実際に特殊能力を持っている人や、人並み以上の視力や聴力を備えている人たちのことを理解したかったから。そういう能力がある人たちの体の構造とかね。できるかぎり調べたけれど、あまり時間がなかったの。48時間以内に役作りしなきゃならなかったから、調べた当日にある程度理解しなきゃならなくて、あとはストーリーが進んでいく中で覚えていくしかなかったわ。
※自分が発した音の反響を受信し、その反響音波から周囲の物体との位置関係を察知する方法

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Q. レイチェルを演じる上で一番苦労したことは何でしたか?

レイチェルを演じているときは楽しくて仕方がなかったわ。例えば私たちは軍隊で使うようなカメラを身に着けなきゃならなかったの。その名も「犬用カメラ」。カメラをひもで体に固定するんだけど、重さが軽く10キロを超えてるの。しかもそれを身に着けた状態で走り回るからおかしくって。『トレインスポッティング』でやってたこととそっくりだったわ。撮影する方法としては面白いし、新鮮よね。あと、私の感覚のすごさを表現するために取った方法も面白くて、私の鼻と目のすぐ近くや、演技がしづらい場所にカメラを固定することもあったわ。そういう極端なクローズアップのカメラアングルばかりずっと見るのに、たまに苦労したこともあったわね。特に事件の現場で匂いを追っていくような演技のときは大変だった。

気持ちの面でいうと、両親とのやり取りは全てとてもやりがいがあったわ。撮影中は、毎日マリクとうまくやっていくことを除けば、苦労したことはそれほどなかったわね。ほんの冗談よ!私たちは本当にツイてたわ。セットもステキだったし、チームが一丸となって取り組めた。素晴らしいことよね。

Q. このドラマは、久しぶりに奇をてらわないスーパーヒーローものだと思いますが、あなたから見てこのドラマの特徴は何だと思いますか?

確かにこういうドラマは久しぶりよね。SFやファンタジーのシリーズをたくさん見るし、テレビ番組は全部見るけど、このドラマはたくさんの要素を兼ね備えてると思う。だからメンバーの存在感や現実味があるし、信念が感じられる。

私たちアルファは、マントを付けたいかにもって感じの完璧なスーパーヒーローじゃないし、欠点だらけ。でも人に欠点はつきものだし、だからこそ視聴者は登場人物に自分を重ねて感情移入できるんじゃないかしら。普通の人間としてつながりを感じられる一方で、夢のようなシーンで想像力を満足させたり、アクションシーンでわくわくしたりできるんだと思う。つまり、このドラマには全ての要素が少しずつ入ってるの。だから10代の女の子も大人の男性もこのドラマを見て興奮したり、元気になったりしてる。レイチェルが両親とケンカしようが、マリク(ビル)が悪い連中を退治しに行こうが、ローゼン博士が悪いアルファに殺されかけようが、見ている人たち全員が共感できるものがある。わざとらしくしないことが、これまで放送されてきたドラマとの違いを生み出してるんだと思うわ。

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Q. 格闘シーンの訓練は受けましたか?

レイチェルは、最初のエピソード(パイロット版)で闘うシーンはなかったの。私自身は格闘の経験はあるし、訓練はかなり受けてるから必要ならできるけど、レイチェルは闘わないみたい。あとは『ブレード・ランナー』、『スキャナーズ』、『X-Men』シリーズのようなSF映画をたくさん見たし、できるだけたくさんの作品を見るように努めたわ。

それに五感が優れている役柄だから、反響定位のことも勉強したわ。たとえば聴力が増しているときは目が見えないという設定だから、いわば耳で物を見る人たちが実際にどんなふうに暮らしているのか知りたいと思ったの。ある感覚が別の感覚にどうやって切り換わるのかとかね。反響定位の能力がある人や人並み外れた視力の持ち主が、その能力をどうやって使っているのかを観察させてもらった。実在の人たちを見ることはとても興味深かったし、演技の微調整はごくわずかで済んだわ。

Q. このドラマは、なぜこんなに視聴者に受けているんでしょうか?

視聴者は登場人物を気に入ってくれてるの。みんなそれぞれお気に入りのキャラクターがいる。ビルことマリクとゲイリーことライアン・カートライトのやり取りは好評だし、ゲイリーとレイチェルのやり取りも視聴者は好きみたい。あとローゼン博士とチームメンバーとのやり取りもね。みんな気に入ってるキャラクターがいろいろいるんだと思う。

親ともめてる女の子たちや、気弱な女の子たちからたくさん手紙をもらったわ。気持ちの上でつながっているように感じてるんだと思う。レイチェルが問題を克服するとその子たちも自信が持てる。それはとても大事なことよね。そして自閉症のお子さんがいるたくさんの親御さんたちは、ライアンが自閉症の人をどれだけ繊細にすばらしく表現しているか、ツイッターでつぶやいてくれるの。動揺してしまって見られないこともあるらしいけど、ドラマの中のゲイリーの活躍を気に入ってくれてるみたい。

Q. アルファとして視聴者に伝えたいことは?

あなたはまだ自分の能力のほんの一角を知ったにすぎない。